ローン返済計算
毎月の返済額・総利息・償還表を、借入額と金利と期間から計算します。
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ReadoutKit / Takashi Yamazaki が執筆・保守しています
仕組みと使い方
毎月の返済額はどう決まるか
固定金利のローンは、借りた金額に利息を加えて決められた回数で返す約束です。利息は「その時点で残っている元金」に対してかかるため、返済が進むほど利息は小さくなります。返済額は一定なのに、その内訳が毎月変わっていく——ローンの計算が直感に反するのは、この一点に尽きます。
毎月の返済額が一定になる元利均等方式では、返済額は次の式で求まります。
返済額 = P × r ÷ (1 − (1 + r)^−n)
P は借入額、r は月利(年利 ÷ 12)、n は返済回数です。3,500万円を年1.2%・35年で借りると、毎月の返済額はおよそ102,000円になります。420回すべて同じ金額ですが、初回の内訳は利息が約35,000円で元金が約67,000円、最終回はほぼ全額が元金です。
金利1%はいくらの差か
3,500万円・35年のまま、金利だけを変えた場合です。
| 金利 | 毎月の返済額 | 利息総額 | 返済総額 |
|---|---|---|---|
| 0.4% | ¥89,317 | ¥251万 | ¥3750万 |
| 0.8% | ¥95,571 | ¥514万 | ¥4010万 |
| 1.2% | ¥102,096 | ¥788万 | ¥4290万 |
| 1.8% | ¥112,382 | ¥1220万 | ¥4720万 |
| 2.5% | ¥125,123 | ¥1760万 | ¥5260万 |
| 3.5% | ¥144,652 | ¥2580万 | ¥6080万 |
0.4%から1.2%への0.8ポイントの差が、毎月では12,779円、総額では535万円になります。金融機関を1行しか当たらずに決めることの機会費用が、この表の縦の距離です。0.1%の違いでも総額で60万円以上動きます。
期間を延ばすことの値段
同じ借入・同じ金利1.2%で、返済期間だけを変えた場合です。
| 返済期間 | 毎月の返済額 | 利息総額 | 返済総額 |
|---|---|---|---|
| 15年 | ¥212,566 | ¥326万 | ¥3830万 |
| 20年 | ¥164,105 | ¥439万 | ¥3940万 |
| 25年 | ¥135,098 | ¥553万 | ¥4050万 |
| 30年 | ¥115,818 | ¥669万 | ¥4170万 |
| 35年 | ¥102,096 | ¥788万 | ¥4290万 |
| 40年 | ¥91,847 | ¥909万 | ¥4410万 |
20年を35年に延ばすと毎月は62,009円軽くなり、利息は438万円から788万円へ増えます。350万円で15年分の月々の余裕を買っている、と読むのが正確です。40年の行はその延長線上にあり、35年に対して月10,249円の軽減と引き換えに、利息が121万円増えます。
支払いの行き先を見る
償還表の上に出ている「利息の割合」が、実は最も見る価値のある数字です。年1.2%・35年なら総利息は借入額の約23%ですが、年3%になると同じ期間で約62%まで上がります。金利が1.8ポイント動いただけで、支払総額が数百万円単位で変わります。
期間の影響はさらに大きく出ます。35年を25年に縮めると毎月の返済額は約3割増えますが、総利息はおよそ3割減ります。金利の交渉より返済期間の設定のほうが総額に効くことは珍しくありません。
元利均等と元金均等の使い分け
元金均等では、毎月同じ額の元金を返し、残高に応じた利息を上乗せします。初回が最も高く、以後は下がり続けます。初日から元金が速く減るため、総利息は必ず元利均等より少なくなります。
問題は返済開始時の負担です。同じ条件で方式を切り替えて初回返済額を比べてみてください。長期ローンでは元金均等のほうが15〜25%高く始まるのが普通です。審査はその初回額を基準に行われるため、「安い方式のほうが借りにくい」という逆転が起きます。元利均等で借りて余裕のある年に繰上返済をするほうが、実質的に近い効果を無理なく得られるケースが多くあります。
毎月少し多く返すと何が起きるか
上乗せした分は全額が元金に充当され、その元金に乗るはずだった利息ごと消えます。だから効果は上乗せ額に比例しません。
| 毎月の上乗せ額 | 完済まで | 短縮 | 利息総額(差) |
|---|---|---|---|
| ¥5,000 | 33年 | 2年 | ¥740万 (-¥478,245) |
| ¥10,000 | 31.2年 | 3.8年 | ¥698万 (-¥901,235) |
| ¥20,000 | 28.2年 | 6.8年 | ¥626万 (-¥162万) |
| ¥30,000 | 25.7年 | 9.3年 | ¥568万 (-¥220万) |
| ¥50,000 | 21.8年 | 13.2年 | ¥480万 (-¥308万) |
上乗せを5,000円から10,000円に倍にしても、短縮は2.0年から3.8年で、ちょうど倍にはなりません。最初の1円がいちばん働くのは、それが最も大きな残高に、最も長い期間、作用するからです。金額よりも「いつ始めるか」のほうが効くのはこのためです。
元利均等と元金均等を金額で比べる
下の2行は同じ借入・同じ条件です。違うのは元金の返し方だけです。
| 返済方式 | 初回の返済額 | 最終回の返済額 | 利息総額 |
|---|---|---|---|
| 元利均等 | ¥102,096 | ¥102,096 | ¥788万 |
| 元金均等 | ¥118,333 | ¥83,417 | ¥737万 |
元金均等は利息が51万円少なくなり、その代わりに初回の返済額が16,237円高くなります。最終回には逆に18,679円低くなっています。問われているのは「どちらが安いか」ではなく、「最初の数年を払えるか」です。
あえて計算に含めていないもの
- 諸費用・保険料。保証料、団体信用生命保険、事務手数料、固定資産税は含みません。ここに出る金額は元金と利息だけです。
- 住宅ローン控除。適用される場合、実質的な負担は表示された総利息より小さくなります。
- 繰上返済手数料。金融機関によっては手数料がかかります。繰上返済を前提に計画する前に契約内容を確認してください。
これらを含めていないのは意図的です。国や金融機関、年度によって変わる項目を推定値で混ぜ込むと、結果が実際より確からしく見えてしまいます。まずここで基準となる金額を掴み、把握している費用をご自身で上乗せしてください。
結果の受け止め方
「ぎりぎり払える返済額」は、払えない返済額です。金利は変わり、収入は止まることがありますが、返済予定表は止まりません。提示された金利で1回、2〜3%高い金利でもう1回計算し、後者の金額で生活が成り立つかどうかを判断基準にするのが現実的です。
このツールは計画のためのもので、助言ではありません。あなたの状況も、適用される制度も知りません。金融機関と話す前にローンの全体像を掴むために使い、最終的な金額は実際の契約書で確認してください。
よくある質問
- 銀行の提示額と少しずれるのはなぜですか?
- 金融機関ごとに端数処理が異なるほか、この計算機があえて含めていない項目が上乗せされているためです。保証料、団体信用生命保険、事務手数料の元金組み入れ、初回だけ日数が長いケースなどが典型です。数百円程度のずれは正常ですが、大きく違う場合は元金と利息以外の費用が含まれていると考えてください。
- 元利均等と元金均等はどちらが得ですか?
- 総利息だけを見れば元金均等が必ず安くなります。返済開始の早い段階で元金が速く減るためです。ただし初回の返済額が最も大きく、それは家計に最も余裕がない時期と重なります。元利均等は同じ借入を毎月一定額にならすため、家計管理はしやすくなります。
- 繰上返済は年1回でどれくらい効きますか?
- 効果は金利によって変わります。3,500万円・35年・金利1.2%なら、年1回分(毎月に均すと約8,500円)を上乗せするだけで完済が3.3年早まり、利息が約78万円減ります。同じ条件でも金利2%なら3.8年・約160万円です。金利が高いほど、元金に回した1円の価値が大きくなります。効果は前倒しするほど大きく、2年目の1回は残り33年分の利息を消しますが、30年目の1回はほとんど効きません。
- 3,500万円を35年で借りると毎月いくらですか?
- 金利1.2%なら月102,096円、完済までの利息は約788万円です。金利0.8%なら月95,571円・利息514万円、1.8%なら月112,382円・利息1,220万円になります。この記事の金利別の表に0.4%から3.5%までを並べてあります。金利1%の差が総額で数百万円になることが、数字で確認できます。
- 35年と25年ではどちらを選ぶべきですか?
- 3,500万円・金利1.2%の場合、25年は月135,098円、35年は月102,096円です。毎月33,002円多く払う代わりに、利息が788万円から553万円へ約235万円減ります。その毎月の差額を無理なく払えるなら短いほうが有利です。払えるか微妙なら、35年で借りて繰上返済で詰めるほうが安全です。義務ではなくなるぶん、収入が減った月に止められます。
- 入力した金額はどこかに送信されますか?
- いいえ。計算はすべてブラウザ内の JavaScript で完結します。アップロードも保存もログ記録も行っておらず、ページを開いたあとは通信を切っても動作します。
- 変動金利でも使えますか?
- 現時点のスナップショットとしてなら使えます。まず現在の金利で計算し、次に2〜3%高い金利で計算し直して、金利が上がったときの負担を確かめてください。変動金利には確定した償還表が存在しないため、それぞれの結果は予測ではなく1つのシナリオとして扱ってください。
出典
このツールが使っている計算式と税率・基準値は、下記の資料に基づいています。制度は改正されます。ここの数字と出典が食い違う場合は、出典が正しいものとお考えください。
2026年9月1日 時点で、下記の出典と数値を突き合わせています。
- 【フラット35】の借入金利住宅金融支援機構