額面から手取り計算
年収の額面から、実際に口座に入る金額を出します。使った税率はすべて画面に表示します。
すべてブラウザ内で動作します。入力した内容はアップロードされません。
仕組みと使い方
手元に届く前に、どこへ消えているか
額面はあくまで表向きの数字です。そこから口座までの間に、性質の異なる3つの控除が挟まっています。この3つを混同していることが、給与明細を読みにくくしています。
- 社会保険料は多くの場合、定率です。上限があり、それを超えると追加の負担は発生しません。課税所得ではなく報酬そのものにかかるため、各種控除を積んでも社会保険料は減りません。
- 所得税は累進です。課税所得(額面から認められた控除を引いた残り)に対してかかり、その金額を帯ごとに切り分けて、それぞれの税率が適用されます。
- 住民税はおおむね定率ですが、課税所得の出し方が所得税と少し異なります(基礎控除の額が違います)。
手取りの下にあるバーは、この3つと手元に残る額を同じ縮尺で並べたものです。多くの年収帯で人を驚かせるのは、社会保険料のブロックが所得税より大きいことです。
累進課税は実際どう効いているか
税率の帯は、給与全体が入る「区分」ではありません。切り分けられた「一部分」です。195万円までが5%、そこから330万円までが10%なら、課税所得250万円の人は最初の195万円に5%、残りの55万円にだけ10%を払います。250万円全体に10%がかかることは決してありません。
だからこそ、実効負担率は必ず「到達した最上位の税率」より低くなります。所得税の20%の帯にいる人でも、所得税だけの実効税率はおおむね7〜10%程度です。上に両方の数字を出しているのは、それぞれが違う問いに答えるからです。実効負担率は「今年いくら取られたか」を、限界負担率は「来年の昇給がいくら残るか」を教えてくれます。
上限がもたらす逆転
社会保険料の上限は、一見おかしく見える現象を生みます。年収が上がると限界負担率が下がることがあるのです。厚生年金の標準報酬月額の上限を超えると、それ以上の収入には保険料がかかりません。所得税の帯が上がっていても、次の1円あたりの手残りは増えることがあります。
このツールは、その規則をあらかじめ書き込むのではなく、年収をわずかに増やして手取りの差を測ることで限界負担率を求めています。この測り方はどの制度でも正確です。日本のように、額面が1円増えても給与所得控除がその一部を吸収して課税所得が1円増えない制度でも、実態どおりの値が出ます。
含めていないもの
この種の計算機は、どこかに線を引かなければなりません。このツールは所得税・住民税・社会保険料の3つに線を引き、使った数字を「計算に使ったすべての数字」にすべて開示しています。含まれていないのは次のとおりです。
- 扶養控除、配偶者控除、生命保険料控除、医療費控除などの各種所得控除
- 住宅ローン控除やふるさと納税などの税額控除
- 企業年金・確定拠出年金の掛金
- 健康保険組合ごとに異なる実際の保険料率
- 賞与にかかる異なる源泉徴収率
これらはいずれも実際の手取りを数%単位で動かします。使った税率をすべて表示しているのは、どの前提を自分で補正すればよいかが分かるようにするためです。計算過程を伏せたまま金額だけ渡すことはしません。
使いどころ
これは計画のための概算であって、申告書ではありません。2つの求人の条件を比べる、昇給が限界負担率を経ていくら残るかを見る、腑に落ちない給与明細の当たりをつける——こうした用途には十分に向いています。何かを申告する用途には向いておらず、あなた個人の事情も把握していません。それらについては、国税庁の公式ツールか税理士をご利用ください。
よくある質問
- 実際の給与明細と金額が違うのはなぜですか?
- ほとんどの場合、この計算機が知りようのない要素があるためです。加入している健康保険組合の料率、企業年金や確定拠出年金の掛金、扶養控除や生命保険料控除、住宅ローン控除などです。ここに出る金額は、基礎控除と公表されている税率表だけから組み立てた基準値です。数%のずれは正常で、大きくずれる場合はあなた固有の控除が反映されていないと考えてください。
- 実効負担率と限界負担率は何が違いますか?
- 実効負担率は全体として何%取られたか(総控除 ÷ 額面)です。限界負担率は「次の1円」がどう扱われるかを示します。限界負担率のほうがほぼ常に高く、昇給や残業がいくら手元に残るかを判断するのはこちらの数字です。
- 年収が増えたのに限界負担率が下がることがあるのはなぜですか?
- 社会保険料に上限があるためです。厚生年金の標準報酬月額には上限があり、それを超えると追加の収入に保険料がかかりません。所得税の税率帯が上がっていても、次の1円あたりの負担は下がりうるということです。このツールは限界負担率を式で組み立てず、年収をわずかに増やして手取りの差を実測しているため、この逆転もそのまま結果に出ます。
- 税率は最新ですか?
- 使用している年度はページ上と「計算に使ったすべての数字」に明記しています。税率表は改正されるため、表示されている年度が現在と合っているかを確認してください。古いままなら結果もその分ずれます。
- 税率の帯が上がると損をしますか?
- しません。これは所得税で最も根強い誤解です。上の税率がかかるのは、境目を超えた部分の金額だけです。1円多く稼いだせいで手取りが減ることはありません。ただし、児童手当のように所得制限で打ち切られる給付は別の仕組みなので、そちらでは逆転が起こりえます。