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住宅ローン借入可能額

年収から逆算して、金融機関が承認しうる借入額と物件価格の目安を出します。

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ReadoutKit / Takashi Yamazaki が執筆・保守しています

仕組みと使い方

金融機関はどう判断しているか

借入可能額は物件から計算されるものではありません。年収から計算され、残りはそれに従います。順序は一方向です。

  1. 税込の月収を出す。
  2. 返済負担率の上限を掛けて、金融機関が許容する毎月の返済総額を出す。
  3. 他の借入の返済額と、住宅の維持費を差し引く。
  4. 残りが、住宅ローンに充てられる毎月の金額。
  5. その金額を、現在の金利と期間で借入額に換算する。
  6. 頭金を足して、購入可能な物件価格にする。

5番目の換算には、元利均等の式を元金について解いた形を使います。

借入額 = 返済額 × (1 − (1 + r)^−n) ÷ r

4番目までの入力はすべて「予算」を動かします。金利と期間だけが「その予算でいくら借りられるか」を動かします。

年収がいくらを買うのか

以下の数字はすべて上の計算機によるものです。金利1.2%・35年、他の借入が月2万円、住宅の維持費が月2.5万円、返済負担率35%、頭金500万円で固定しています。

年収(額面)毎月の返済予算借入可能額購入可能価格
¥400万¥71,667¥2460万¥2960万
¥500万¥100,833¥3460万¥3960万
¥600万¥130,000¥4460万¥4960万
¥800万¥188,333¥6460万¥6960万
¥1000万¥246,667¥8460万¥8960万
¥1200万¥305,000¥1.05億¥1.1億

固定的な支出を賄ったあとは、ほぼ直線的に伸びます。「年収の7倍」といった目安がだいたい当たり、端で外れるのはこのためです。他の借入と維持費は予算の頭から引かれるので、年収が低いほどその割合が重くなります。

月々の返済額から、借りられる額を逆算する

「年収でいくら借りられるか」ではなく、「月々10万円までなら払える。ではいくら借りられるか」という順で考える人も多いはずです。こちらは審査の比率を通らないぶん単純で、毎月の返済額・金利・期間の3つが決まれば借入額はひとつに決まります。下の表は、35年・元利均等で、よくある返済額ごとに3つの金利で借入額を出したものです。

毎月の返済額金利0.8%金利1.2%金利2.0%
¥80,000¥2930万¥2740万¥2420万
¥100,000¥3660万¥3430万¥3020万
¥120,000¥4390万¥4110万¥3620万
¥150,000¥5490万¥5140万¥4530万
¥200,000¥7320万¥6860万¥6040万

表を横に読む前に、その「月々」に何が含まれているかを決めてください。ローンの返済額は元本と利息だけです。マンションなら管理費と修繕積立金、戸建てでも固定資産税と火災保険が別にかかります。住居費の予算が月10万円で、そのうち2.5万円がこうした費用なら、ローンに回せるのは7.5万円で、金利1.2%で借りられる額は約3,430万円ではなく約2,570万円です。この差は、たいていの頭金より大きくなります。

上の計算機で自分の数字を確かめるときは、住宅の維持費を専用の欄に入れてください。結果には借入可能額と並んで毎月の返済額が出るので、考えていた月額と見比べられます。計算機の返済額のほうが高ければ、返済負担率を下げていくと、両者が一致する借入額が分かります。

審査で見られている比率

返済負担率は、多くの審査を左右する数字です。新しい住宅ローンに加えて、自動車ローン、カードの分割、奨学金など、契約上支払う義務のあるすべてを合計し、税込収入と比べます。

返済負担率目安
25%以下余裕がある。貯蓄も、予定外の出費も吸収できる。
25〜35%一般的な承認の範囲。
35〜40%属性がよければ通ることもある。実生活はかなり窮屈。
40%超ほとんど通らず、通ったとしても勧められない。

ここから分かる大事なことがあります。自動車ローンを完済すると、住宅ローンの上限はその残債よりずっと大きく上がります。毎月2万円の返済がなくなれば、月2万円の予算が空き、一般的な金利ならおよそ600〜700万円の追加借入を支えます。

金利の差はいくらの差か

年収600万円のまま、他の条件も動かさず、金利だけを変えた場合です。

金利借入可能額購入可能価格0.5%との差
0.5%¥5010万¥5510万—
1.0%¥4610万¥5110万-8.0%
1.2%¥4460万¥4960万-11.0%
2.0%¥3920万¥4420万-21.6%
3.0%¥3380万¥3880万-32.5%
4.0%¥2940万¥3440万-41.4%

低金利帯ほど、上昇の一撃が重くなります。0.5%から2.5%への2ポイントの上昇は借入可能額を27%削りますが、同じ2ポイントでも6%から8%の市場では20%弱にとどまります。変動金利を選ぶかどうかの判断は、この表の縦の距離をどこまで許容できるかという問いに置き換えられます。

他の借入が奪っているもの

既存の返済額は毎月の予算から直接引かれ、その予算が借入額に換算されます。右端の列が、その返済によって失っている借入可能額です。

他の借入(月額)借入可能額購入可能価格失う借入可能額
¥0¥5140万¥5640万—
¥10,000¥4800万¥5300万-¥343万
¥20,000¥4460万¥4960万-¥686万
¥30,000¥4110万¥4610万-¥1030万
¥50,000¥3430万¥3930万-¥1710万

毎月1円の返済が、借入可能額をおよそ343円押し下げます。残債100万円・月2万円の自動車ローンは、約686万円ぶんの購買力を奪っているということです。審査が見ているのは残債ではなく毎月の返済額なので、申込み前に完済できるのであれば、同じ現金を頭金に足すより効く場合があります。

金利シナリオを置いている理由

結果の下に並ぶ3本のバーは、同じ予算を現在の金利、+1%、+2%で見たものです。どれだけ買える物件が縮むかに驚く人がほとんどです。固定金利で借りる場合でも見ておく価値があります。借り換え時期に市場がどうなっているか、そして金利が動いたときにその物件が次の買い手にとっていくらの価値になるかを示しているからです。

この計算に入っていない費用

「住宅の毎月の維持費」は継続的な支出をカバーしますが、住宅の購入には毎月の予算ではなく頭金から出ていく一時金があります。登記費用、仲介手数料、印紙税、不動産取得税、引越し費用などです。日本では物件価格の6〜10%程度が目安になります。貯蓄を全額頭金として入力した場合、ここに表示される価格はその諸費用のぶんだけ高すぎます。

もうひとつ静かに効いてくるのが修繕費です。年間で物件価値の1%程度を見込むのが一般的で、毎月の請求書としては届きませんが、いずれ必ず届きます。

「通る額」と「妥当な額」の差

金融機関が審査しているのはローンであって、あなたの人生ではありません。彼らのモデルは、あなたが転職を考えていることも、片方の収入が止まりうることも、貯蓄を続けたいことも知りません。ここに出る最大値は天井であり、天井を目標として扱うことが、家はあるが現金がない状態への最短経路です。

実用的な使い方をひとつ。まず上限を確認したうえで、返済負担率のスライダーを25%に戻し、その金額を見てください。2つの差額が、あなたが使うか手元に残すかを選んでいる余裕そのものです。

よくある質問

年収600万円だといくら借りられますか?
金利1.2%・35年・返済負担率35%、他の借入が月2万円、住宅の維持費が月2.5万円という前提で、借入可能額はおよそ4,460万円です。頭金500万円を足した購入可能価格は約4,960万円になります。この数字を作っているのは月13万円という返済予算で、金利が上がればこの予算のまま借入額だけが下がります。この記事の表に年収別・金利別・他の借入別の内訳を載せています。
月々10万円の返済なら、住宅ローンはいくら借りられますか?
35年・元利均等で、金利1.2%ならおよそ3,430万円、0.8%なら約3,660万円、2%なら約3,020万円です。ここでの10万円はローンの返済だけに充てる額です。管理費・修繕積立金や固定資産税も同じ予算から払うつもりなら、先にそれを引いてください。月2.5万円を引いた7.5万円で借りられる額は、1.2%で約2,570万円まで下がります。この記事の表に月8万円から20万円までを金利別に載せています。
車のローンがあると住宅ローンはいくら減りますか?
毎月の返済額のおよそ343倍です。金利1.2%・35年の場合、月2万円の自動車ローンは借入可能額を約686万円押し下げます。残債が100万円しかなくても、です。審査で見られるのは残債ではなく毎月の返済額なので、申込み前に完済できるなら、同じ現金を頭金に回すより効果が大きい場合があります。
事前審査と同じものですか?
違います。事前審査は、金融機関が信用情報を照会し、収入を確認したうえで金額を提示するものです。このツールが行うのは、その判断の土台にある計算だけです。おおむね近い金額にはなりますが、信用情報、勤続年数、頭金の出所によって、実際の金額は上にも下にも動きます。
返済負担率は何%にすればよいですか?
日本の金融機関では、年収400万円未満なら30%、400万円以上なら35%を上限とするのが一般的です。ただしこれは「承認される上限」であって「無理のない水準」ではありません。住宅費を年収の25%以内に収めた家計のほうが、家計の逼迫を訴える割合が明確に低くなります。スライダーがあるのは、その抑制が購買力をいくら削るのかを目で見るためです。
金利が上がると、なぜこれほど価格が下がるのですか?
払える月額が変わらない一方で、金利が上がると返済額に占める利息の割合が増えるからです。日本のような低金利帯では影響がとりわけ大きく、1%から3%への2ポイント上昇で借入可能額はおよそ27%減ります(年収600万円なら4,600万円から3,380万円へ)。同じ2ポイントでも、金利6%から8%の市場なら減少幅は20%弱です。低い金利ほど、上昇の一撃が重いということです。収入がまったく変わらなくても買える物件が小さくなるのはこのためです。
年収は額面と手取りのどちらを入れますか?
審査は額面で行われるため、額面を入力してください。ただし手取りでの確認も必ず行ってください。ローンを払うのは実際に口座に入る金額であって、申込書に書く税引き前の数字ではありません。
頭金を増やせば、より多く借りられますか?
借入額そのものは増えません。そちらは年収で頭打ちになります。増えるのは購入できる物件価格で、頭金と同額だけ上がります。ただし頭金が多いと金利が下がったり保証料が減ったりすることがあり、その分だけ月々の余裕が生まれて借入額も増えます。

出典

このツールが使っている計算式と税率・基準値は、下記の資料に基づいています。制度は改正されます。ここの数字と出典が食い違う場合は、出典が正しいものとお考えください。

2026年9月17日 時点で、下記の出典と数値を突き合わせています。

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