ReadoutKit

PDF結合・分割

PDFを結合したり、必要なページだけ抜き出したり、いらないページを削除します。ファイルは端末から出ません。

すべてブラウザ内で動作します。入力した内容はアップロードされません。

ReadoutKit / Takashi Yamazaki が執筆・保守しています

仕組みと使い方

3つの操作

PDF に対して人がやりたいことのうち、中身の編集を伴わないものは、ほぼこの3つに収まります。

  • 結合。複数のファイルを、指定した順で1つにします。別々にスキャンした部分から提出書類を組み立てる、報告書の後ろに付録を付ける、といった用途です。
  • 抜き出し。指定したページだけを残します。長い文書の一部だけを送りたい、全体を渡したくない、という場面で使います。
  • 削除。指定したページを消し、それ以外を残します。白紙のスキャン、送付状、外に出したくないページを落とすときに使います。

抜き出しと削除は同じ選択の裏表なので、ページ指定欄を共有しています。「残したいページ」より「捨てたいページ」のほうが書きやすい場合は、削除を選んでください。

結合では順序が結果そのもの

結合後のファイルは、選択した順ではなく、一覧に表示されている順に従います。ファイル選択ダイアログは名前順に並べるため、「page10」が「page2」より前に来て、ページ順の狂った文書ができあがります。結合する前に矢印で並べ替え、先頭と末尾が意図どおりか確認してください。

何が引き継がれるかを実測した

ページは丸ごと複製されるため、テキストは選択可能なまま、画像は元の解像度のまま残り、再圧縮による劣化は起きません。ベクター要素もベクターのままです。問題は文書全体に紐づく機能のほうで、この点についての説明はどこも曖昧なので、実際に測りました。

検証用に、しおり2件・外部リンク・2ページ目への文書内リンク・付箋の注釈・2項目の入力フォーム・添付ファイル・タイトルと著者の文書情報・90度回転したページ・A4とLetterの混在を、すべて持つPDFを作りました。これをこのツールと同じ手順——新しい文書を作り、ページを複製し、保存する——に通し、出力を読み直して数えた結果が下の表です。結合でも抜き出しでも結果は同じでした。

要素処理後
ページの内容・文字・画像保持される
用紙サイズの混在(A4 + Letter)保持される
ページの回転保持される
Webサイトへのリンク保持される
注釈・付箋コメント保持される
ページ間リンク残るが壊れる
入力フォーム残るが壊れる
しおり(目次)失われる
添付ファイル失われる
タイトル・著者保持される
作成日・更新日失われる

失われる理由

PDF は木構造で、ページはその一部の枝でしかありません。しおり・フォームの定義・添付ファイル・文書情報は、ページではなく文書カタログにぶら下がっています。ページの複製が持ってくるのはページの枝とその下だけなので、ページの上に載っているもの(内容・注釈・回転)は付いてきて、ページより上にあるものは付いてきません。

注意すべきは「残るが壊れる」の2行です。画面上には何の警告も出ないためです。

入力フォーム。入力欄の枠はページ上に見えたまま残ります。枠を描いているのはページの注釈だからです。しかし、それを入力可能にしているフォームの定義はページの外にあるので消えます。実測では、2項目のフォームを持つ文書が0項目になりました。出力はフォームに見えて、フォームの写真として振る舞います。

ページ間リンク。文書内のリンクは、飛び先のページをオブジェクト参照で指しています。複製後はその参照が何も指さなくなるため、リンクはクリックできるのにどこにも飛ばなくなります。飛び先のページを残した場合でも起きます——削除したページに限った話ではありません。

タイトルと著者が表で「保持される」になっているのは、このツールが明示的に入れ直しているからです。ページの複製はこれも運びません。何もしなければタイトルが空のファイルができ、受け取った側のファイル一覧やリーダーのタブにそのまま出ます。結合では先頭の文書のものを使います——2つ分を混ぜる正解はなく、「1本目の続き」として扱うほうが出力を見た人の期待に近いためです。

日付のほうは意図的に引き継いでいません。出力の作成日は、元の文書が書かれた日ではなく、あなたが処理した日時です。中身の違うファイルが元の作成日を名乗るほうが、2つの選択肢のうちでは誤解を招くからです。

送る前に確認すること

ここまでの話は、ふつうの用途——スキャン、報告書、請求書、読ませるために組み立てる書類——では問題になりません。効いてくるのは次の3種類の文書で、確認自体は数秒で済みます。

元の文書に電子署名があるなら、処理後の署名は無効になります。これは正しい挙動です。署名は「署名後に変更されていないこと」を証明するもので、結合はその変更そのものだからです。回避する方法はなく、「署名を保ったまま編集できる」と謳うツールがあれば、それは壊れています。署名は結合の後に付けてください。

元の文書が入力フォームなら、先にPDFリーダー側でフラット化(多くは「PDFとして印刷」)してから結合してください。フラット化は入力値をページの内容そのものに焼き付けるので、以降は失われません。

元の文書に目次から飛んで使うしおりがあるなら、結合後にPDF編集ソフトで付け直す前提で考えてください。印刷された目次のページは残りますが、クリックできるしおりは残りません。

ここでは端末内処理の意味がとくに大きい

PDF は、人が最も気を遣う文書に使われる形式です。契約書、確定申告書類、診断書、本人確認書類、未公開の決算資料。無料のPDFツールの標準的な仕組みは、そのファイルをサーバーにアップロードし、処理し、結果をダウンロードさせるというものです。つまり、あなたが検証できない基盤の上に複製が存在し、読んでいない保存方針に委ねられたということです。

ブラウザがバイナリ形式をメモリ上で読み書きできるようになって、もう何年も経ちます。端末内で処理するのは、プライバシーのために何かを犠牲にしているわけではありません。アップロードするものも待つ列もないぶん、単純に速くもあります。

守秘義務のある文書を扱う立場なら、この違いは理屈の上の話ではありません。顧客の契約書を素性の分からない処理事業者にアップロードすること自体が、そのあとファイルがどうなるかに関わらず、義務違反になりえます。

よくある質問

本当にアップロードされていませんか?
本当にされていません。PDF は JavaScript がメモリ上に読み込み、その場で書き換え、ダウンロードとしてそのままお返ししています。使用中に開発者ツールのネットワークタブを見れば確認できますし、ページを読み込んだあとに通信を切っても動作します。契約書、診療情報、秘密保持契約下の資料にとって、これはアップロード型のサイトとは実質的に異なる扱いです。
ページ数やファイルサイズの上限はありますか?
端末のメモリに収まる範囲だけが制約です。サーバーがないため、アップロード上限も順番待ちも1日の回数制限もありません。数百MBに及ぶ文書では処理が遅くなり、空きメモリの少ないスマートフォンでは失敗することがあります。
透かしは入りますか?
入りません。出力されるのは、あなたのページそのものです。無料のPDFツールに透かしが入るのは有料プランを売るためですが、このサイトには有料プランがありません。
パスワード付きのPDFも開けますか?
確実ではありません。閲覧制限のみが設定された文書は読み込みを試みますが、ユーザーパスワードで暗号化されたファイルは、そのパスワードなしには開けません。お使いのPDFリーダーで先にパスワードを解除してから読み込ませてください。
PDFを結合するとしおり(目次)は消えますか?
消えます。これはこのツールに限らず、複製したページから新しい文書を組み立てる方式のツールすべてに共通します。実測しました——しおり2件を持つ文書を通すと、出力のしおりは0件になります。しおりはページではなく文書カタログにぶら下がっているため、ページを複製しても付いてきません。印刷された目次のページはページの内容なので残りますが、クリックできるしおりはPDF編集ソフトで付け直す必要があります。
入力フォームのPDFを結合しても入力できますか?
できません。先にフラット化してから結合してください。入力欄の枠は結合後も見えます(枠を描いているのはページの注釈だからです)が、それを入力可能にしているフォームの定義はページの外にあるため失われます。実測では2項目が0項目になりました。出力はフォームに見えて、フォームの写真として振る舞います。明らかな失敗より質が悪いのは、画面上に何の表示も出ないことです。
文書内のリンクが動かなくなるのはなぜですか?
ページ間のリンクは、飛び先をオブジェクト参照で指しているためです。ページを新しい文書に複製すると、その参照は何も指さなくなり、リンクはクリックできてもどこにも飛ばなくなります。飛び先のページを残していても起きます。Webサイトへのリンクは影響を受けません——URLは、それが載っているファイルに依存しないためです。
ページ指定はどう書きますか?
個別の項目はカンマ、範囲はハイフンで書きます。「1-3, 5, 8-」のような形です。ハイフンの片側を空けると「先頭から」「最終ページまで」の意味になり、「8-」は8ページ目以降を指します。重複や存在しないページ番号は、エラーにせず無視します。

出典

このツールが使っている計算式と税率・基準値は、下記の資料に基づいています。制度は改正されます。ここの数字と出典が食い違う場合は、出典が正しいものとお考えください。

2026年9月1日 時点で、下記の出典と数値を突き合わせています。

ほかのツール